薬局薬剤師FMの備忘録

薬剤師えふえむの勉強ノート

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抗菌薬で低血糖症状? 小児の副作用

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先日購入した松本康弘先生の著書、「極める!小児の服薬指導」を読み進めていたら、気になる項目があったので触れてみようかなと思います。

 

抗菌薬で低血糖症状?

低血糖症状と言えば、血糖降下薬を服用しているときの副作用を真っ先に思い浮かべる人は多いはず。

まさか抗菌薬の作用で低血糖症状につながる機序なんてあるのか?と考えたりもしましたがどうやら違うみたいです。

それは…抗菌薬に修飾しているピボキシル基がどうやらその副作用に繋がるようですね。 

 

ピボキシル基の役割と代謝

役割としてはピボキシル基は抗菌活性体を体内へ効率よく吸収させるために修飾している。

 

代謝については以下の通り

例えばセフカペン ピボキシル塩酸塩水和物の場合、吸収時に腸管壁のエステラーゼにより分解され、菌活性体セフカペンピバリン酸ホルムアルデヒドになる。

セフカペンは腎臓からそのまま排泄され、ピバリン酸は体内のカルニチンと結合することで抱合体(ピバロイルカルニチン)を作り、尿によって100%排出される。

 

つまり排泄にはカルニチンを用いるので十分にカルニチンを蓄えていない新生児は低カルニチン血症になりやすい ということである。

 

カルニチンの作用

カルニチンは体内では筋肉細胞に多く存在しており、エネルギーの原料となる脂肪酸をエネルギーの工場であるミトコンドリアに運ぶ働きがある。

ミトコンドリア内では脂肪酸はβ酸化を受け、ピルビン酸という物質を生成される。ピルビン酸は体のエネルギーを作る際にとても重要な物質。

 

カルニチンは脂質代謝に関するビタミン様物質で体内で生合成されているが、新生児の場合、カルニチン生合成能は大人と比べて著しく低いので容易に低カルニチン血症を起こしやすくなる。

つまりカルニチンが不足するとエネルギーをうまく作ることができなくなるんですね。

 

普段は…

主に人間は炭水化物を摂取することでそれをグルコース(糖)に変えてエネルギーを生み出しています。

「え?それならカルニチンが不足してても大丈夫なんじゃ?」

と思うが、確かに食事をしっかり摂っていれば大丈夫です。

 

では、食事が十分に摂れていない時はどうでしょう?エネルギーを作れないのかというとそういうわけではありません。

体はうまくできていて、先ほどカルニチンの作用でも記載しましたが、脂肪酸からエネルギーを作っていくんですね。

ミトコンドリアで作られたピルビン酸は糖新生によって最終的にグルコースを作ることで、エネルギーを補います。

 

低カルニチン血症=低血糖が起こりやすい

とどのつまりは普段食事をしっかり摂れていると低血糖症状を起こすことはないけれども、摂れていない時にそれを補う代謝経路(糖新生)が機能しないと低血糖症状を起こしますよってことです。

 

 

ピボキシル基がついている抗菌薬

フロモックス(セフカペン ピボキシル)

メイアクト(セフジトレン ピボキシル)

トミロン(セフテラム ピボキシル)

オラペネム(テビペネム ピボキシル)

の4種類が存在。

 

ちなみに抗菌薬ではないが、B型肝炎の治療薬でヘプセラ錠もついている(アデホビル ピボキシル)。

 

最後に

読んでいて「へぇ、知らなかった」と思ってネットであれこれ調べてましたが、2012年4月にPMDAから医薬品適正使用のお知らせが出ていたみたいですね💦 

https://www.pmda.go.jp/files/000143929.pdf

 

まだまだ勉強することはたくさんあるなと痛感です。

 ↓参考図書(たいへん勉強になります)