薬局薬剤師FMの備忘録

薬剤師えふえむの勉強ノート

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卵胞ホルモン(エストロゲン)製剤 

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さぁーまとめていきますかー。前の記事の続きです。

 

www.fmyakuzaishi.com

 

手始めに卵胞ホルモン製剤から。

 

 

薬理作用

女性ホルモンはエストロゲンとプロゲステロンがあり、月経(生理)を区切りとして2つのホルモンが増えたり減ったりを繰り返して、生理機能を担っている。

エストロゲンは主に卵巣から分泌され、作用としては

・正常な月経周期や排卵の維持

・女性の子宮や性器の発育

・乳房のふくらみ

などが挙げられる。

 

卵胞ホルモン製剤は主に

更年期障害

膣部の炎症や乾燥の改善

閉経後の骨粗しょう症

 に適応がある。

 

①の原因は女性ホルモン分泌の低下することによって、卵巣を刺激しようとして視床下部や脳下垂体から大量のホルモンが分泌され、ホルモンのバランスが崩れることと、精神的ストレスが絡み合うため。

②の原因はエストロゲンは膣部のコラーゲンの産生に関わるので、エストロゲンが減少することで、潤いがなくなり、萎縮や細菌の増殖を促してしまうため

③の原因は閉経すると女性ホルモンの分泌自体止まってしまうので、骨量維持に関わるエストロゲンの減少により、骨が薄くなってしまうため

 

どの原因もホルモンが減少することで起こる事なので補充をしようということである。

 

薬剤 種類

体内に存在するエストロゲンは3種類に分かれる。

・エストロン(E1)

・エストラジール(E2)

・エストリオール(E3)

エストロゲン活性の強さはE2>E1>E3

合成エストロゲンであるエチニルストラジオールは他のエストロゲン製剤よりも数段活性が強い。

 

エストロン(E1)製剤

・プレマリン錠(結合型エストロゲン)

エストラジオール(E2)製剤 

・ジュリナ錠

・エストラーナテープ

・ディビゲル

エストリオール(E3)製剤

・エストリール錠

・ホーリン錠

合成エストロゲン製剤 

・プロセキソール(エチニルエストラジオール)

 

副作用

主な副作用をピックアップ。

血栓症

エストロゲンは肝臓への作用として血液凝固能を亢進させる働きがある。

エストロゲン製剤を服用している患者は服用していない患者より血栓症のリスクが上がるということである。

※ただし、エストラーナテープやディビゲルなどの経皮吸収する薬剤については肝臓を通らないので、リスクは少ない

症状として

足の痛み・むくみ

胸の痛み

息が切れる

急に呼吸が苦しくなる

めまい

頭痛

吐き気

ろれつが回らない

物が二重に見える

 などがあるので、こういった症状が現れる場合は中止する。

 

性器出血、乳房痛

症状として

生理以外の出血

乳房が腫れて痛くなる

このような症状が現れたら減量もしくは中止する。

 

胃腸障害

症状として

気分が悪い

食欲がない

症状が強くなるようなら中止

対策としては消化器症状予防のため食後に服用する。

 

接触皮膚炎(エストラーナテープ)

これは貼り薬特有。症状として

皮膚が赤くなる

かゆくなる

かぶれる

対策としては毎回貼る部分をずらす

 

禁忌

 エストロゲンによって悪化する病態や副作用の経歴にある人には禁忌となる。

エストロゲン依存性悪性腫瘍およびその疑い

妊婦・乳がんの既往歴

未治療の子宮内膜増殖症

血栓性静脈炎や肺塞栓またはその既往

動脈性血栓塞栓症疾患またはその既往

重篤な肝障害

診断の確定していない異常性器出血

 

その他の注意

エストロゲン製剤の作用が弱くなる原因としてタバコがある。

タバコには肝臓での薬物代謝を促進させる効果を持つので作用が減弱してしまう。

他にもセント・ジョーンズ・ワートを含む食品も代謝を促進させるので同様に注意が必要。

 

逆に強くなる原因としては大豆食品とビタミンCの過剰摂取がある。

大豆食品はエストロゲン様作用があるために、ビタミンCはエストロゲンの代謝を阻害してしまうために作用が増強し、血栓症のリスクが上昇する。

まぁ…意識して過剰に摂取しない限りは問題ないだろう。

 

最後に

エストロゲン製剤の多くは更年期のタイミングに処方されるイメージかな。

血栓症に注意するのは有名な話ですから、注意喚起を促したいですね。