薬局薬剤師FMの備忘録

薬剤師えふえむの勉強ノート

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GLP-1製剤 種類

注射器のイラスト(医療)

糖尿病治療薬で注射薬と言えばもう一つ忘れてはいけないのが、GLP-1受容体作動薬

糖尿病薬の注射薬でいっぱいあってわかんなーいという方はインスリン製剤とGLP-1製剤がごっちゃになってるからではないでしょうか?(そんなことないか)

 

今回はGLP-1アナログ製剤についてまとめます。

 

 

作用機序・特徴

 

GLP-1アナログ製剤は食後に消化管から分泌されるインクレチン(GLP-1やGIPと呼ばれる)と同じ作用を持つ。GLP-1アナログ製剤のアナログは似せて作ったものという意味。

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インクレチンは

  • インスリン(血糖値を下げるホルモン)分泌の促進
  • グルカゴン(血糖値を上げるホルモン)分泌の低下

の2つの作用を持ち、血糖値を下げる方向に働かせる。

このインクレチンは消化管から分泌されたのちに、DPP-4という酵素によって分解されるが、GLP-1アナログ製剤はそのDPP4から分解されにくい工夫を施すことで効果の持続などを図っている。

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インクレチンの最大の特徴としてはグルコース(糖)の濃度に依存してインスリンが分泌されるという点。つまり、血糖値が高い場合のみにインスリン分泌が促進され、血糖値が低い時は作用しないという低血糖を起こしにくい製剤となっている。

 

インクレチンのもう一つの作用として胃内容物排出の抑制がある。胃内容物排出を遅らせることで、満腹感を促し、食欲の低下につながり、食べすぎを抑制する。

種類

現在、飲み薬はなく、注射薬(すべて皮下注)のみで、適応は2型糖尿病のみ。

◆ビクトーザ(リラグルチド)

●効能・用法用量

通常、成人には、リラグルチド(遺伝子組換え)として、0.9mgを1日1回朝または夕に皮下注射する。ただし、1日1回0.3mgから開始し、1週間以上の間隔で0.3mgずつ増量する。なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、1日0.9mgを超えないこと

●特徴

  •  1日1回タイプ
  • 副作用(消化器症状)防止のため0.3mgから開始し、1週間間隔で0.3mg➡0.6mg➡0.9mgと増量していく。
  • GLP-1をアシル化することでアルブミンと結合しやすくなり、DPP-4の分解を受け難くしている。

 

◆バイエッタ、ビデュリオン(エキセナチド)

●効能・用法用量

バイエッタ通常、成人には、エキセナチドとして、1回5μgを1日2回朝夕食前に皮下注射する。投与開始から1ヵ月以上の経過観察後、患者の状態に応じて1回10μg、1日2回投与に増量できる。

ビデュリオン通常、成人には、エキセナチドとして、2mgを週に1回、皮下注射する

●特徴

  • ビデュリオンはバイエッタの改良版。
  • ビデュリオンはエキセナチドをマイクロ粒子内に包埋して、1週間に1回の投与でバイエッタの1日2回投与するのと同等の効果を発揮するよう設計された徐放性製剤。
  • エキセナチドは米国南西部に生息するオオトカゲの唾液に含まれるエキセジン-4を人工的に合成したもの。
  • N末端の2番目のアミノ酸をアラニンからグリシンへ変換し、DPP-4から分解されにくくなっている。

 

◆リキスミア(リキシセナチド)

●効能・用法用量

通常、成人には、リキシセナチドとして、20μgを1日1回朝食前に皮下注射する。ただし、1日1回10μgから開始し、1週間以上投与した後1日1回15μgに増量し、1週間以上投与した後1日1回20μgに増量する。なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、1日20μgを超えないこと。

●特徴

  • 1日1回タイプ
  • N末端の2番目のアミノ酸をアラニンからグリシンへ変換し、DPP-4から分解されにくくなっている。

 

◆トルリシティ(デュラグルチド)

●効能・用法用量

通常、成人には、デュラグルチド(遺伝子組換え)として、0.75mgを週に1回、皮下注射する。

●特徴

  • 週に1回タイプ
  • N末端の2番目のアミノ酸をアラニンからグリシンへ変換し、DPP-4から分解されにくくなっている。さらに16番目をグリシン➡グルタミン酸へ変える事で薬の溶解性が増し、30番目をアルギニン➡グリシンに変換することで免疫反応をしにくくしている。
  • 当てて押すだけ。操作が簡単。
  • 一本使い切りタイプ。

 

副作用

糖尿病薬と言えば、低血糖はつきものですが、GLP-1製剤は単独では低血糖症状は起きにくいです。ただし、他の血糖降下薬を飲まれている方は要注意です。

もう一つGLP-1で特徴的な副作用と言えば、消化器症状です。作用機序のところでも書きましたが、胃内容物排出の抑制がありますので、吐き気や嘔吐、下痢、便秘などの消化器症状が出やすくなります。

使い始めて、そういった症状が強くなれば医師に相談されるほうがいいでしょう。

 

処方されやすいのは?

それぞれの適応を見比べてみると使いやすいのはビクトーザとトリルシティですかねぇ。

バイエッタ、ビデュリオン適応に運動・食事療法のみまたはそれに加えて他の内服薬で十分に効果が得られない場合にのみ使うという文言があるので、制限がないビクトーザ、リキスミア、トルリシティと比べて少々使い辛そうなイメージ。

うちの薬局ではビクトーザかトルリシティがほとんどですねー。

 

最後に

インスリン製剤もそうですが、注射薬はコンプライアンスが気になりますね。薬剤師の僕が言うのもあれですが、自分は錠剤でさえも忘れたりします(笑)

 

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