薬局薬剤師FMの備忘録

薬剤師えふえむの勉強ノート

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カフェインと薬 

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カフェインと言えば「コーヒーとかお茶に入ってるやつでしょ?」と知らない人はほとんどいないような成分。

薬剤師にとっては問診時に聞く項目の一つだと思いますが、患者さん、薬剤師とも軽視してる人もいるんではなかろうか。

実は僕も服薬時に忙しかったりすると聞くのを忘れるときもあるので、今回はカフェインのことや併用に注意しなければならない薬について書いていこうと思います。

 

 

カフェインの効果

◆覚醒作用

アデノシン受容体に拮抗することで覚醒作用(眠気防止)を示す。

◆強心作用、気管支拡張作用

ホスホジエステラーゼ阻害作用により、細胞内のcAMPの濃度が高まり、心筋収縮力増強、気管支拡張作用などの交感神経亢進様作用を示す。

◆利尿作用

交換神経亢進様作用により腎血流量が増加し、水分の再吸収を抑制することで利尿作用を示す。

◆胃酸分泌亢進

cAMPの増加はプロトンポンプを活性化する方向に働くので胃酸分泌亢進を示す。

 

カフェインの適正摂取量

◆目安の摂取量

カフェインは利尿作用によるむくみ改善や強心作用による心臓病の予防など、様々な効果をもたらすが体にいいからと言って摂りすぎは禁物。

以下、摂取量の目安

体重 1回摂取量 (約3mg/kg 以下) 1日摂取量 (約5.7mg/kg 以下)
40kg 120mg 228mg
60kg 180mg 342mg
80kg 240mg 456mg

参照:欧州食品安全機関(EFSA)のカフェインの安全性に関する科学的意見書

 

◆中毒量、致死量

  • 中毒量は1回あたり約6.5mg/kg以上摂取すると大半の人は中毒症状が現れる。だいたい目安の約2倍量ですね。
  • 致死量はなんと約200mg/kg以上摂取する。一気に数字が跳ね上がりましたね。この量までいくと心臓発作を起こしてしまいます。

 

◆カフェイン含有食品

カフェインと言えばコーヒーと一番に出ますが、それ以外の飲み物でも含有しているものはあります。

飲料 含有量(100mlあたり) コップ1杯(約180ml)
麦茶 0mg 0mg
コーラ 10~13mg 18~23.4ml
煎茶 約20mg 約36mg
ほうじ茶 約20mg 約36mg
(黒)ウーロン茶 約20mg 約36mg
抹茶 約30mg 約54ml
紅茶 約30mg 約54ml
コーヒー 約60mg 約108ml
レッドブル 1缶80mg  
モンスター 1缶142mg  

この表から目安量を考えると60kgくらいの人はコーヒー1日3杯のペースなら問題ないと考えられる。

 

※ちなみに妊婦の1日のカフェイン摂取量は100mgを超えると自然流産率が増加するデータがあるそうなので、1日に100mg以下に抑えるとよい。

 

薬との相互作用

カフェインは薬との相互作用が知られているがどういったものが挙げられるか見ていきます。

◆代謝経路による相互作用

カフェインはアルカロイドの1種でありプリン環を持ったキサンチン誘導体。

カフェインは肝臓のCYP1A2という代謝酵素で代謝されることが知られているため、その代謝酵素で代謝・阻害・誘導する薬剤については注意が必要となる。

●CYP1A2で代謝される薬物

多数存在するが有名どころを。

  • テオドール・テオロング等(テオフィリン)
  • トフラニール(イミプラミン)
  • インデラル(プロプラノロール)
  • メキシチール(メキシレチン塩酸塩)
  • テルネリン(チザニジン)
  • ロゼレム(ラメルテオン)
  • ジプレキサ(オランザピン)
  • ゾーミッグ(ゾルミトリプタン)など

●CYP1A2を阻害する薬物

赤字であるのはCYP阻害が強力なため、禁忌となる薬物がある。カフェインの場合、通常よりもカフェインの代謝が遅れるため、カフェイン中毒のリスクが増える。特にコーヒー愛用者は注意。

  • バクシダール(ノルフロキサシン)
  • シプロキサン(シプロフロキサシン)
  • デプロメール、ルボックス(フルボキサミン)など

●CYP1A2を誘導する薬物

代謝が促進されるので薬の効能が落ちる。またカフェインは代謝されると最終的に尿酸になるためコーヒー愛用者+タバコ愛好家は尿酸値が上がりやすくなる

  • 喫煙(タバコ)
  • テグレトール(カルバマゼピン)
  • フェノバール(フェノバルビタール)

 

◆利尿効果による相互作用

多くの薬剤は肝臓で代謝されて尿として、またそのまま代謝されないまま腎臓を通り尿として排泄される。カフェインは利尿効果を有しており、体内の水分が少なくなることで薬物の血中濃度が上がりやすくなる。

TDM(血中濃度モニタリング)が必要なリチウム製剤はその代表例。

 

最後に

CYP阻害作用がある薬剤については注意が必要です。よくコーヒーを愛用している人はカフェインの副作用リスクが増える可能性があるので、頭痛や吐き気、動悸などが現れた時はコーヒーを控えるように伝えないといけないですね。

他にも注意が必要なことがあるかもしれませんが今回はこの辺で!