薬局薬剤師FMの備忘録

薬剤師えふえむの勉強ノート 〜時たま日記〜

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熱中症に伴う脱水 気をつけないといけない薬

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今年も6月に入りもう年の半分終わりましたね。

これから暑くなってきますね~。汗かきの僕には苦手な季節です💦

 

今回は熱中症とそれに伴って起こる脱水や気を付けなければいけない薬について触れていこうかと思います。

 

 

熱中症とは

高温環境下で起こる体内の水分や電解質(NaやKなど)の欠乏高体温そのものによる臓器障害の総称をいいます。

まぁ簡単に言うと暑さで体の水分がなくなって体がやられるんです。

 

総称というだけあって熱中症には症状によっていくつか分類されます。

◆熱失神

気温が高くなると血管は熱を逃がそうとして拡張する。つまり血圧が低下して、それに伴い、脳への血流量も減少する

(症状)

  • めまいやふらつき
  • 一時的な失神
  • 顔面蒼白

◆熱けいれん

大量に汗をかいた状態で電解質を含まない水分だけを摂取した場合、血液の塩分濃度が薄まり、筋肉の痛みやけいれんを誘発する。

(症状)

  • 筋肉痛
  • 手足のつり
  • 筋肉のけいれん

◆熱疲労

大量に汗をかき、水分の摂取が追い付かないと脱水状態になり倦怠感や吐き気などの症状が見られる。

(症状)

  • 意識障害
  • 全身倦怠感
  • 強い口の渇き

◆熱射病

体温の上昇により中枢機能に異常をきたした状態。意識障害が見られたり、ショック状態になる場合もある。

(症状)

  • 発汗の停止
  • 意識障害
  • 多臓器不全
  • 40℃以上の体温
  • 頻脈や高血圧

 

脱水症ってどういう状態?

脱水症は体の中の”体液量”が少なくなった時の状態をいいます。

”体液量”と表現したのには理由があります。よく誤解されがちなのが脱水症は単なる水分だけの減少ではなくて、塩分などの電解質も減少した状態をいいます。

人の体液は水分と電解質がバランスよく存在しています。

脱水症は水分と電解質の失い方によってさらに3つのタイプ分けることができます。

◆高張性脱水

体液が濃くなった(電解質が多い)状態

大量に汗をかいたときに起こりやすい。症状としては熱疲労の症状が出やすい。

◆等張性脱水

水分と電解質が同時に失われた状態

下痢や嘔吐などで体液を一気に失ったときに起こりやすい。

◆低張性脱水

体液が薄くなった(電解質が少ない)状態

症状としては熱けいれんの症状が出やすい。 

 

熱中症や脱水に関連して注意が必要な薬剤

この暑くなる時期、ただでさえ熱中症や脱水症などが起こりやすいので、脱水を促す薬剤については押さえておきたい。

◆抗コリン薬

抗コリン薬は発汗を抑制する作用がある。人は汗をかくことで高くなった体温の熱を逃がしているので、発汗を抑制してしまうと体温の上昇のリスクが上がり、熱射病になりやすくなる。

◆利尿薬

ループ利尿薬やチアジド系の利尿薬は尿の量が増え、体内の水分量が減少するので注意が必要。また糖尿病薬のSGLT2阻害薬も糖分と一緒に尿量を増やす作用があるので同様に注意が必要。

 

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◆ビグアナイド製剤

体内の水分量が少なくなることで乳酸ケトアシドーシスのリスクが上昇する。

 

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◆血液凝固剤、スタチン系

水分量が少なくなると血液がドロドロになり、心筋梗塞や脳卒中のリスクが上昇する。

◆泌尿器系の薬

尿が濃くなるので雑菌が繁殖しやすくなる。膀胱炎になる可能性がある。

 

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◆TDMが必要な薬剤

薬剤の濃度をコントロールしないといけないような薬に関して、水分が少なくなることで血液中の濃度が濃くなるので副作用のリスクが上昇する。

  • ジゴキシン
  • リーマス
  • プログラフ など

 

脱水のチェック方法

 ある程度自分で脱水に近いかな?と感じる目安をいくつか。

◆水分の摂取量

私たちは主に食事から電解質、飲み物から水分を摂取しています。脱水の目安としては1日食事がとれていない時は脱水を疑いましょう。

さらに病気などで3日間食事が十分に摂れていない時は医師に相談される方がいい。

まぁ3日間取れてない時点で誰もが病院行くと思いますが…。

◆水分の出ていく量

下痢や嘔吐があれば脱水を疑ってもいいと思います。また、トイレの回数や量が減った時も注意が必要。

健康な人で毎日2L、食べない、尿も便も出ない人でも1Lの水が失われているので水分補給は意識して行いましょう。

◆高齢者の脱水チェック

(体温)

平熱より体温が2度違うとき。また微熱が続くときも注意。

(脈拍・血圧)

30回/分 以上の増加や血圧の低下に注意。

(わきの下)

普通じゃわきの下は湿っていますが、脱水状態になると乾く

(爪の色)

爪をおさえて離してから2秒以内に赤みが戻らなければ、脱水を疑う。

(ハンカチーフサイン)

腕の皮膚をつまみ上げて話した時、シワができたままだと脱水を疑う。

◆乳幼児の脱水チェック

一番わかりやすいのが爪の色チェック。

高齢者の方法と同じように、爪をおさえて離してから赤みが戻る時間を見る

  • 1.5秒以下…軽症脱水
  • 1.5~3秒…中程度の脱水
  • 3秒以上…重度の脱水

 

水分の補給~経口補水液~

 よく患者さんから「水とお茶飲んでたら大丈夫でしょ?」と質問が飛んできます。確かに水やお茶で水分をとることは大事です。しっかり食事もされているのなら問題ないでしょう。

ただ、先ほどにも記載したように脱水症は体内の電解質も薄くなってもなりますので、熱中症対策だからといって水やお茶をがぶがぶ飲んでも逆効果ともいえます。

なので効率的に電解質と一緒に摂取できるのが、経口補水液になります。

◆経口補水液の特徴f:id:FMyakuzaishi:20180607231526j:image

 

◆経口補水液の種類

うちのお店においてある経口補水液から抜粋

●OS-1

たぶん一番有名なのが大塚製薬さんの経口補水液。

OS-1は主に脱水時や病者用へ向けの商品となる。Na量が115mg/dlと多めに含有。

味は飲みやすいこともなければ、飲みにくいこともないような、そんな感じ。ゼリータイプもある。

●アクアソリタ

 味の素さんの経口補水液。Na量が80mg/dlとOS-1よりは低めだが、その代わり熱中症対策が謳える。日常的な脱水対策に使えるのが特徴的。糖質も低め。

味は青りんご味でとても飲みやすい。子供に勧めやすいかも。

ただパルスイートという甘味料を使っているのでフェニルケトン尿症の子には使えない。

 

最後に

ほんとに少しづつ暑くなってきましたので、熱中症には気を付けたいです。特に高齢者の方や乳幼児の方は敏感ですので特に注意してもらいたいですね。