薬局薬剤師FMの備忘録

薬剤師えふえむの勉強ノート 〜時たま日記〜

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アボルブカプセル 一包化しても大丈夫??

今日びっくりしたことを一つ。

 

とある病院さんの処方で一包化処方をされている患者さんが来られました。

事務さんが処方箋の入力を終え、僕にバトンタッチ。

どうやらずっとDo処方(定期処方)の方のようで。

「あぁDoの処方かー、中身はなになに…あ…アボルブカプセルも出てるのか。まぁでもアボルブカプセルは一包化不可やから…ってンンン!?」

入力の処方を見てみるとアボルブカプセルに一包化の印がついているではありませんか。

まぁ事務さんは一包化していい薬とかは流石にわからないかぁと思いつつ、前回の処方をチェックしてみると、一包化しているではありませんか…。

しかも42日分…。

 

どうなってんの?っと軽くパニック状態になり、周りのおっちゃん先生に聞くと

おっちゃん薬剤師「あぁこの人ずっと前からアボルブカプセル一包化してるよー。僕も心配になって毎回カプセルの状態聞くんやけど、ダイジョブダイジョブって…。一包化した経緯はわからんなぁ。なんせ僕も来る前ですから~。」

 

ずっとしてるなら大丈夫かぁと思いつつも、なんか不安が残りましたね…。

 

というわけでアボルブカプセルについて少し調べてみました 。

 

アボルブカプセル

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まずはアボルブカプセルって何の薬からですね。

成分名:デュタステリド

適応は前立腺肥大症のみ。男性ホルモンの作用を抑えることで前立腺の肥大を抑えるという薬。

実は同じ成分を含有しているザガーロという商品名で男性における男性型脱毛症を適応に持つ保険外医薬品がある。

 

作用機序

デュタステリドは、テストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)へ 変換する 1 型及び 2 型5α還元酵素(リダクターゼ)を阻害する。

DHTは前立腺肥大に関与する主なアンドロゲン

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ちなみに1型と2型の違いは…

  • 1型5αリダクターゼ:側頭部・後頭部皮脂腺に多く存在する
  • 2型5αリダクターゼ:前頭部・頭頂部毛乳頭や前立腺に多く存在する

デュタステリドはどちらの酵素も阻害するので男性ホルモンの作用を強力に抑制する。

血中や前立腺組織中のDHTの濃度を低下させることで、肥大した前立腺を小さくし尿の排泄を促したり、頻尿、残尿感などの症状を改善する。

 

一包化がダメな理由

どうやら一包化した際の製剤自体の安定性は検討されていない様子。

アボルブカプセルは軟カプセルのため、光や高温多湿を避けてPTPから出さずに保存するのが推奨されている。

つまり、一包化することで光が当たりやすくなったり、湿りやすくなるのでべちゃべちゃになる可能性がある。

やるなら乾燥剤を入れないと…

 

有効成分

有効成分についてはインタビューホームに載っているのを参考に。

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上記の表からどの試験も変化なしとの結果が出ている。

つまり有効成分のデュタステリドは長い間一包化していても安定したままということ。

 

効き目については問題なさそうか…

 

最後に

んーまぁカプセルがべちゃべちゃに溶けなかったら問題なさそうやけど、でも流石に30日以上一包化の状態で置いておくのはちょっと心配かな。

乾燥剤をいれておいたら大丈夫だとは思うが…

ただアボルブカプセルには重大な注意事項がありまして、それは女性や子供が触ってはいけないということです。

なぜならアボルブカプセルは経皮から吸収されるので固形のままで触れるのさえ危ないのに、もし溶けちゃったやつを触ろうもんなら、それは恐ろしいことです。

その患者さんには服薬指導時には家族構成薬の状態などを確認しておきたいですね。

 

 

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