薬局薬剤師FMの備忘録

薬剤師えふえむの勉強ノート

主に勉強のこと。合間に日記も!

透析って?

2週間に1回、人工透析患者の方々が来局してくださるので、病態の整理をば

 

 

透析って?

透析とは高分子の物質を半透膜で包み、大量の水の中に置き、低分子物質、イオンを透過させて分けること、つまり、この原理を使うことで血液中の老廃物などを除去できるというもの。

 

人体でこの役割を担っているのが腎臓。腎臓の役割としては

①血液をろ過して老廃物や塩分(イオン)などを尿として排出

②血圧の調整

③血液の産生に関わる

④強い骨を作るのに関わる

⑤体液量やイオンバランスの調節

と大まかに分けられる。

 

腎臓が悪くなっていくと、この役割が担えなくなるので主に①と⑤の代わりとして透析を行う。

 

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参照https://www.google.co.jp/amp/s/yomidr.yomiuri.co.jp/article/20171011-OYTET50006/amp/?source=images

仕組みとしてはこんな感じ。

 

1回の透析時間は大体4-5時間かかって、週に3回行う。

 

大変ですね、、、(^◇^;)

 

腎臓が悪くなると

先ほども挙げたように腎臓は様々な役割を担っている。腎臓が悪くなるとどういったことが起きるのか挙げていきます

◆老廃物が溜まる

腎臓の働きとしてタンパク質の燃えカスである尿素を排泄する働きがある。急性腎不全や慢性腎不全などで腎臓の働きが悪くなると、どんどん老廃物が溜まり様々な症状が現れる。腎機能が正常の10%以下になると症状が現れる。

初期症状としては疲れやすい、だるい、思考力が低下するなどの症状。むくみも肺水腫なども。

神経や筋肉症状としては、知覚異常、末梢神経痛、筋肉のけいれん、全身のけいれんなど。

消化器症状としては、食欲低下、吐き気、嘔吐、口内炎、口の中の味覚不良。尿毒症が進行すると、潰瘍や出血がみられ、また栄養不良となり痩せていく。

皮膚は黄褐色に変色し、ときには汗の尿素が皮膚に結晶を形成し斑点がみられます(尿毒素斑点)。皮膚のがんこなかゆみも特徴的。

 

◆腎臓に関わるホルモンの産生及び活性の低下

腎臓は様々なホルモンに関わりがある。

・ビタミンDの活性化

ビタミンDは肝臓腎臓で活性化を受けて活性型ビタミンDとなる。ビタミンDは腸からのカルシウムの吸収を促進し、骨の産生に関わる。なので腎機能が落ちると、骨粗鬆症になりやすくなる。

 

・エリスロポエチン産生

エリスロポエチンとは赤血球を作るのに必要なホルモン。これが充分な量が産生されないと腎性貧血になる。腎性貧血の症状としては疲れやすい、動悸・息切れ、めまいなどの症状が現れる。

 

・レニンの分泌

レニンはアンジオテンシンⅡの産生に関わるホルモン。アンジオテンシンⅡは血管を収縮させること腎臓に働きかけ、水分の再吸収を促進し、体内の体液量を上げる事血圧を上昇させる腎血流量が低下すると腎臓からレニンの分泌が促進されることで血流量を維持するが、腎機能が低下して、腎血流量が低下した状態が続くとレニンが高値になり、高血圧の状態が続く。

高血圧が続くと動脈硬化や脳出血や脳梗塞などのリスクが上昇する。

 

◆イオンバランスの崩れ

腎臓は老廃物の排泄だけでなく、体内のイオンのバランスを保つ働きがある。

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参照:嫁の昔の教科書

腎臓の働きが落ちると

・体液量増加(ナトリウムイオンが排泄できないことによる)→むくみや高血圧

・カリウムイオン排泄低下による高カリウム血症→舌の異常感覚、知覚過敏・四肢麻痺、筋力の低下・悪心、嘔吐・下痢・不整脈、頻脈

・水素イオン排泄低下による代謝性アシドーシス

・リン酸イオンに排泄低下による高リン酸血症→自覚症状は出にくいが進行すると骨粗鬆症や異所性石灰化の進行の原因となる

・尿酸排泄低下による高尿酸血症→痛風

とそれぞれ起こる。

 

薬の種類

上記でも述べたように腎臓が悪くなると体内のイオンバランスや水分バランスなどが崩れるのでそれを是正する。

薬剤を選択する時も腎排泄かどうかが重要になってきますね。

 

【利尿薬】

過剰な体液量を減少させ、高血圧、浮腫、肺水腫などを改善する。

・ラシックス(フロセミド)

fmyakuzaishi.hatenablog.com

 

【高カリウム血症改善薬】

消化管内でカリウムを吸着し、吸収を抑制する。※体内のKは透析じゃないと取り除けない

・アーガメイト、カリメート(ポリスチレンスルホン酸カリウム)

・ケイキサレート(ポリスチレンスルホン酸ナトリウム)

 

【高リン酸血症治療薬】

消化管内で食物由来にリン酸イオンと結合し、吸収を抑制する。※体内のリン酸は透析じゃないと取り除けない。

・フォスブロック、レナジェル(セベラマー塩酸塩)

・ホスレノール(炭酸ランタン水和物)

・カルタン(沈降炭酸カルシウム)

・キックリン(ビキサロマー)

 

【二次性副甲状腺機能亢進症治療薬】

血中のリン酸濃度が高くなる血中のカルシウムと結合してカルシウム濃度が低くなる。すると副甲状腺からカルシウムを是正しようとパラトルモンが分泌され、骨からカルシウムを供給しようとし骨粗鬆症のリスクが増加する

シナカルセトは副甲状腺カルシウム感知受容体に結合してパラトルモンの分泌を抑制する。

・レグパラ(シナカルセト塩酸塩)

 

【代謝性アシドーシス是正薬】

水素イオンの排泄ができなくなると血液は酸性側に傾くのでそれを是正するための薬。

・炭酸水素ナトリウム

 

【エリスロポエチン製剤】

腎性貧血用に。

・エスポー注射液(遺伝子組み替えヒトエリスロポエチン)

 

【尿毒症物質除去薬】

尿毒症物質を消化管内で吸着し除去する。

・球体吸着炭

 

【尿酸生合成阻害薬】

尿酸の排泄も出来なくなるので、それに伴う高尿酸血症を改善。

・ザイロリック(アロプリノール)※腎排泄なので減量は必要

・フェブリク(フェブキソスタット)※胆汁排泄 

fmyakuzaishi.hatenablog.com

 

【活性型ビタミンD3製剤】

ビタミンDは腎臓で活性化されないと効果を発揮できないのでそれを補う。

・ワンアルファ、アルファロール(アルファカルシドール)

・ロカルトロール(カルシトリロール)

・エディロール(エルデカルシトール)