薬局薬剤師FMの備忘録

薬剤師えふえむの勉強ノート

主に勉強のこと。合間に日記も!

ピロリ菌について

患者様から

「ピロリ菌ってどうやって感染するんですか??」

っていう質問が飛んで来ました。

 

僕は誤魔化すように「年配の方に多いイメージですねぇ」とタジタジしながら応え、納得いかないような顔付きでお薬を貰われていきました(汗)。

 

なので今日はピロリ菌について簡単に。

 

 

ピロリ菌とは

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正式名称はヘリコバクター・ピロリ。ヘリコは螺旋、ピロリは胃の出口である幽門という部分が由来。

ピロリ菌は胃の粘膜に生息している。昔から胃は強い胃酸によって菌は生息できないと考えられてきたが、ピロリ菌はウレアーゼという胃酸を中和する酵素を分泌することで自らを守る。

 

病状・症状

ピロリ菌は感染しているからといって自覚症状がでるわけではない。しかし、除菌しないままでいるとピロリ菌はずっと胃の中に生息し続ける。

◆胃粘膜の減少

ピロリ菌はアンモニアやモノクロラミンなどの有害な物質を生産し続けることで胃粘膜が脅かされる。

◆胃痛や吐き気など

胃粘膜の減少により胃壁が障害されると胃もたれや吐き気、腹痛も起こりやすくなる。

◆胃炎

慢性的にピロリ菌が感染することで慢性胃炎や胃潰瘍、またはポリープなどもできやすくなる。

◆胃がん

胃がんの99%はピロリ菌感染が根底にあり、感染していない方より20~30倍も胃がんにかかる確率が増える。

◆合併症

機能性ディスペプシア、胃マルトリンパ腫、十二指腸潰瘍、特発性血小板減少性紫斑病はピロリ菌感染でなりやすい病気と言われている。

 

感染経路

感染経路については現段階では十分わかっていないが、いくつかの原因が考えられる。

◆口から口への感染

歯垢や唾液からピロリ菌が検出されるので、接触感染でうつる場合がある。ピロリ菌は幼少期に感染するのがほとんどと言われているので、ピロリ菌感染している大人から子供への口移しなどは控える方が良い。

◆飲料水

現代の日本は上下水道の完備などの生活環境が整備されているので、感染することはないと言われている。しかし、上下水道が未整備の世代や地域では感染率が上昇する

 

治療

抗生剤2種類と胃酸分泌抑制薬の計3種類で除菌を行う。これを1次除菌という。2000年には除菌率90%と言われていたが耐性菌の発現により2007年以降は75%以下に低下している。

1次除菌に失敗すると、抗生剤の1種類だけを変更し、2次除菌を行う。

さらに失敗する方は抗生剤の種類を変え、3次除菌を行う。

◆1次除菌                          ◆2次除菌

アモキシシリン                 アモキシシリン

クラリスロマイシン          メトロニダゾール

PPI製剤orタケキャブ        PPI製剤orタケキャブ

◆3次除菌

アモキシシリン

キノロン系抗菌薬

PPI製剤orタケキャブ

 

治療中の生活習慣

  • 治療中の胃の状態は通常よりデリケートになっているため、香辛料が効いた料理や油物多めの食事は控えるようにする
  • 飲酒、喫煙はピロリ菌除菌の低下率を招く恐れがあるため控える。
  • 乳酸菌LG21を含むヨーグルト、ブロッコリースプラウト(ブロッコリーの新芽)、フコダイン(ワカメやもずくなど海藻類に含まれるヌルヌル)、梅干しなどはピロリ菌の活動を抑制したり、数を減らす効果があるため食事に取り入れる。