薬局薬剤師FMの備忘録

薬剤師えふえむの勉強ノート

主に勉強のこと。合間に日記も!

吸入薬 うがいする理由

アノーロエリプタ(抗コリン薬とβ2受容体作動薬の配合剤)という吸入薬を投薬している時のこと。

 

指導箋を見ながら投薬をしていたんですが、「吸入後は必ずうがいをすること」の文言を見た時、

(あれ…アノーロってステロイド入ってたっけ…)

と思い、添付文書を見てみても、やっぱり入ってない…

 

自分の頭の中では吸入薬でうがいする理由は

ステロイドの副作用でのどにカビ生えたり、声がガラガラになる

というイメージしか記憶してなかったので疑問が浮かびました。

 

 ちゃんと理由がありましたね笑

おさらいがてらにステロイドも含めて〜

 

うがいをする理由

吸入薬は吸入するすることで、直接気道や肺に到達し効能を発揮する。しかし、上手く吸入できているとしても、少なからず口や喉に付着する。それを放置することにより薬によっては様々な副作用につながる場合がある。

たいていの場合はうがいをしっかり行うことで副作用を防止することができる。

◆ステロイド剤

ステロイドの作用は過剰な免疫反応(アレルギーや炎症)を抑える。吸入薬で使われるステロイド剤は内服薬と違って用量が小さいので飲み込む、または粘膜から吸収されたとしても全身の副作用は少ない。

▽口腔内カンジダ

普段、気道や肺は無菌状態なので免疫反応を抑えたとしても菌が増殖することはまずない。しかし、口や喉は雑菌だらけなので、通常、増殖しない環境でもステロイドが作用することにより菌が増殖しやすい環境になってしまう。口腔内カンジダは真菌(カビ)が増殖することで起こる疾患である。

▽嗄声

声のかすれのこと。原因としてははっきりしていないがステロイドが声帯に付着することで局所的なステロイド筋症(ミオパチー)になることが1つの可能性とされている。 

◆β2受容体作動薬

β2受容体作動薬は気管支に働きかけ、拡張することで喘息などの症状を和らげる。

▽全身の副作用(動悸や手の震えなど)

β受容体は全身の様々なところに存在する。吸入薬は気管支のみに作用させるのが目的だが、口や喉に薬が残っていると口の粘膜から直接吸収され、初回通過効果(代謝)を受けずに血液に運ばれてしまう。β2受容体作動薬は少量でも副作用に繋がる可能性があるため、しっかりうがいをすることが大切。 

◆抗コリン薬

気管支に働きかけ気管支の拡張を促す。

抗コリン薬は必ずしもうがいを必要とはされていないが、抗コリン薬の副作用である口渇や心悸亢進、排尿困難などが起こりやすい患者にはうがいを勧める。

 

うがいの方法と工夫

  •  吸入直後に行う。ガラガラうがいとブクブクうがいを5秒ずつ行い、最低でも2回以上繰り返すのが吉。そうすることで口の中に残っている薬剤の90%は除去可能。
  • 吸入前に口の中を飲み物などで湿らしておくと薬剤が残りにくくなる。
  • うがいをするのが難しいそうな患者は食前に吸入するなどして工夫する(食事によって薬剤が除去される)
  • うがいができない状況では飲み物で口をゆすいでそのまま飲み込む。