薬局薬剤師FMの備忘録

薬剤師えふえむの勉強ノート

主に勉強のこと。合間に日記も!

高血圧の治療薬

今や高血圧は現代の病気の代表格と言っても過言ではないですね。

今回は高血圧の治療薬に関して。

 

 

高血圧の分類

◆本態性高血圧

日本人の高血圧の85~90%とほとんどがこれ。原因のはっきりしない高血圧。もともと高血圧になりやすい体質や、塩分の摂り過ぎ、肥満、過度の飲酒、運動不足、ストレス、喫煙などが原因で発症すると考えられる。

◆二次性高血圧

一方、高血圧の10~15%は、原因のはっきりしている二次性高血圧に分類される。ホルモン分泌異常、腎臓疾患、薬剤の副作用などが原因で起こると考えられる。

 

血圧の基準値

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降圧薬の使い方

日本高血圧学会(JSH)による『高血圧治療ガイドライン2014』では、第一選択薬の定義を「積極的適応がない場合の高血圧に使用すべきもの」と示したうえで、降圧薬治療に関して「積極的適応がない場合の高血圧に対しては、最初に投与すべき降圧薬としてCa拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、利尿薬の中から選択する」と記載している。

β遮断薬は、第一選択薬から除外されたものの、依然として主要な降圧薬であることは変わりない。心不全や頻脈、狭心症などの心疾患に対しては積極的適応としている。

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※1:少量から開始し、注意深く漸増する ※2:冠攣縮性狭心症には注意  MetS:メタボリックシンドローム

※2014高血圧ガイドライン

 

Ca拮抗薬

 血管平滑筋細胞へのCa2+の流入を阻害して血管を拡げることで血圧を下げる。

◆ジヒドロピリジン系

  • アムロジン(アムロジピン)
  • ペルジピン(ニカルジピン)
  • バイミガード(ニソルジピン)
  • バイロテンシン(ニトレンジピン)
  • アダラート(ニフェジピン)
  • ニバジール(ニルバジピン)
  • ヒポカ(バルニジピン)
  • ムノバール(フェロジピン)
  • コニール(ベニジピン)
  • カルスロット(マニジピン)
  • カルブロック(アゼルニジピン)
  • サプレスタ(アラニジピン)

◆ジフェニルアルキルアミン系

  • ワソラン(ベラパミル)

◆ベンゾジアゼピン系

  • ヘルベッサー(ジルチアゼム) 

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ARB(アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬)

レニン・アンジオテンシン系においてアンジオテンシンⅡ受容体(AT1)に結合して、アンジオテンシンⅡと拮抗することで血管の収縮を防ぎ、血圧を下げる。

  • ニューロタン(ロサルタン)
  • ブロプレス(カンデサルタン)
  • ディオバン(バルサルタン)
  • ミカルディス(テルミサルタン)
  • オルメテック(オルメサルタン)
  • アバプロ/イベルタン(イルベサルタン)
  • アジルバ(アジルサルタン)

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ACE(アンギオテンシン変換酵素)阻害薬

アンジオテンシンⅠからアンジオテンシンⅡへの変換を阻害して昇圧系を抑制するほか、カリクレイン-キニン系を刺激して降圧系を促進する作用を有する。

  • レニベース(エナラプリル)
  • カプトリル(カプトプリル)
  • セタプリル(アラセプリル)
  • アデカット(テラプリル)
  • インヒベース(シラザプリル)
  • ロンゲス(リシノプリル)
  • チバセン(ベナゼプリル)
  • タナトリル(イミダプリル)
  • エースコール(テモカプリル)
  • コナン(キナプリル)
  • オドリック(トランドラプリル)
  • コバシル(ペリンドプリルエルブミン)

 

利尿薬

 身体に溜まっている水分(循環血液量)を減少させることで心臓からの拍出量を減らし、また抹消血管抵抗を下げることで、血圧を低下させる。作用部位に基づき3種類に分類される。

◆ループ利尿薬

  • ラシックス/オイテンシン(フロセミド)
  • ルプラック(トラセミド)
  • ダイアート(アゾセミド)

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◆K保持性利尿薬

  • アルダクトンA(スピロノラクトン)
  • セララ(エプレレノン)
  • トリテレン(トリアムテレン)

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◆サイアザイド系

  •  トリクロルメチアジド(フルイトラン)
  • ヒドロクロロチアジド「トーワ」
  • べハイド(ベンチルヒドロクロロチアジド) 

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β遮断薬

 異常に緊張、亢進した交感神経系(β受容体)を抑制して降圧作用を発揮するほか、心拍数減少・心筋エネルギー代謝改善による心臓の負担軽減や、心筋細胞の保護作用もある。

  • アーチスト(カルベジロール)
  • インデラル(プロプラノロール)
  • セロケン(メトプロロール)
  • テノーミン(アテノロール)
  • メインテート(ビソプロロール)

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α遮断薬

 血圧の上昇には、交換神経のα受容体が関与している、α遮断薬は交感神経末端の平滑筋側α1受容体を遮断することで血管を拡張させ、血圧を低下させる。

  • カルデナリン(ドキサゾシン)
  • エブランチル(ウラピジル)
  • ハイトラシン(テラゾシン)
  • デタントール(ブナゾシン)
  • ミニプレス(ブラゾシン)
  • レギチーン(フェントラミン)

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服薬指導

高血圧は自覚症状が極めて少なく、知らず知らずのうちに症状が進行していき、脳梗塞や心筋梗塞を合併するケースも多々ある。なので、処方された薬剤は毎日服用してもらうことが大切である。またコンプライアンスが悪い方は合併するかもしれない病状(心不全、脳出血、脳梗塞、狭心症、腎障害、眼底出血など)について十分に理解させることも大切。薬剤の仕様だけでなく、生活指導もあわせて行う。

◆血圧の測り方

基本は右の上腕で測る。朝と就寝前に測るのがいいとされており、朝は「起床時1時間以内、排尿後、朝の薬剤服用前、座位1-2分安静後」で就寝前は「座位1-2分安静後、測定前の喫煙、飲酒、入浴、カフェイン摂取は控える」が1番ベスト。

◆食塩制限

健常者は10g/日未満、高血圧患者はは6g/日未満。とまぁ6g未満ってのはなかなか難しいので、日本では8-9g未満がいいと言われている。

◆カリウムの摂取

カリウムは食塩による血圧上昇や心血管病の抑制効果がある。

目標量:男性3000mg以上、女性2600mg以上

ただ摂りすぎは腎臓に負担をかけるので注意。

◆飲酒

ガイドラインではエタノールとして男性:20-30ml以下、女性:10-20ml以下とされており、禁止ではなく、減酒が推奨されている。だいたいビール一本分が推奨量。推奨量だと、血管拡張作用及びHDL増加による動脈硬化予防が期待できる。

◆運動

ガイドラインでは運動は毎日30分程度行うようにとされている。基本は少し息が切れる程度の有酸素運動、これを毎日続ければ、降圧作用だけでなく、体重の減量も行える、

ちなみに降圧作用は食事療法>運動療法

◆副作用について

降圧薬全般に言えるのが血圧の過度な低下によるふらつきがある。

・血圧が低い時の対策

水分を補給する(1時間にコップ1杯程度)、ストレッチを行う(血液循環改善)。

・血圧が低くふらつきが発現した時の対応

体を横にして足を心臓よりも高く上げて、そのまま安静。