今日はARBについて!
〜作用機序〜
レニン・アンジオテンシン系においてアンジオテンシンⅡ受容体(AT1)に結合して、アンジオテンシンⅡと拮抗することで血管の収縮を防ぎ、血圧を下げる。
アンジオテンシンⅡの受容体にはAT1とAT2があるがほとんどがAT1に結合して以下の作用を示す。
・細胞質内にCa2+を流入させることにより血管を収縮させ血圧を上昇させる。
・副腎皮質球状層のアルドステロン合成を促進し、分泌させる。
・視床下部に作用して口渇感とバソプレシン(脳下垂体後葉)の放出を促す。
・近位尿細管でNa+の再吸収を促進させる。
レニン分泌を抑制する。
※wiki参照
次は薬の種類とそれぞれの特徴!
日本では7種類発売。
〜第1世代〜
・ニューロタン(ロサルタン)
1番最初に発売されたARB
〜効果効能〜
○高血圧症
25-50mg 分1 MAX100mg
高血圧及び蛋白尿を伴う2型糖尿病における糖尿病性腎症
50mg 分1 MAX100mg
血圧下がりすぎる人は25mgから様子見
〜特徴〜
尿酸排泄促進作用が報告されている
トロンボキサンA2受容体拮抗作用が報告されている
半減期:4-5時間
・ブロプレス(カンデサルタン)
〜効果効能〜
○高血圧症
4-8mg 分1 必要に応じてMAX12mg
ただし腎障害を伴う場合は2mg開始のMAX8mg
○腎実質性高血圧症
2mg開始のMAX8mg
○慢性心不全の状態でACE阻害剤の投与が適切でない場合
4mg開始のMAX8mg
〜特徴〜
降圧効果の持続時間が長い
半減期:10時間
・ディオバン(バルサルタン)
〜効果効能〜
○高血圧症
40-80mg 分1 MAX160mg
6歳以上の小児の場合
BW35kg未満 20mg 分1 MAX40mg
BW35kg以上 40mg 分1
〜特徴〜
データ操作云々でニュースになった
値段が1番安い
半減期:4時間
〜第2世代〜
・ミカルディス(テルミサルタン)
〜効果効能〜
○高血圧症
40mg 分1 ただし20mg/日から開始し、漸次増量 MAX80mg
〜特徴〜
PPARγ活性化作用が1番高い→アディポネクチンが増加→心臓、腎臓、血管の保護作用、糖尿病の予防に繋がる
主に胆汁排泄→腎臓障害の方に投与しやすい
・オルメテック(オルメサルタン)
〜効果効能〜
○高血圧症
10-20mg 分1 なお5-10mgから開始し、年齢症状によって適宜増減するがMAX40mg
〜特徴〜
ピークの立ち上がりが早い(キレがいい)
活性が強い
アルドステロンブレイクスルー現象が起きにくい
半減期:10時間
※アルドステロンブレイクスルーとは
ACE阻害剤およびARBにおいて、血漿アルドステロン濃度は、初期低には低下するものの、長期にわたって使用すると初期値より増加してしまう現象
・アバプロ/イルベタン(イルベサルタン)
〜効果効能〜
○高血圧症
50-100mg 分1 MAX200mg
〜特徴〜
PPARγ活性をもつがミカルディスより弱い
尿酸排泄促進作用をもつ
CYP2C9で50%代謝
半減期:10-15時間
・アジルバ(アジルサルタン)
〜効果効能〜
○高血圧症
20mg 分1 MAX40mg
〜特徴〜
ブロプレスの後継品
ミカルディスより降圧効果が強い
CYP2C9で代謝
半減期:12-14時間
◆その他
ARBはほとんどが胆汁排泄であるので、体質や食事内容(肉食、脂質摂取が多め)で胆汁排泄量が多くなると、ARBも代謝排泄されやすくなる。
降圧効果のおおよそな順
アジルバ 〉オルメテック 〉ミカルディス 〉アバプロ 〉ブロプレス 〉ディオバン 〉ニューロタン
いずれも妊婦に禁忌
副作用も少ないのも特徴ですね(^_^)